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  • 執筆者の写真shunsuke masui

仕事に飽きる

私の前職(大手エージェント)社員や、人材業界から転職を考える方と接している際に、「もう、この仕事には飽きました」という声を聞くことがあります。私がこの仕事に携わる人たちから聞く言葉で、最も残念な気持ちになるフレーズです。


本来はとても奥の深い仕事(と私は考えています)なのに、ほんの数年、分業した一側面を経験しただけで「飽きた」はないだろう、と。


この仕事が「すぐに飽きてしまう」ほど底が浅いのではなく、「仕事への取り組み方」が浅くなっているだけなのでは?と、私は思うのです。


確かに大手エージェントの多くは、大量に入社してくる業界未経験の新人を早期に戦力化するために、細かく分業した業務を高速回転で経験させます。


そして、そのようなやり方でも、センスのある一定数は、短期間で期待以上の成果を上げるようになります。


ただ、この時に彼らが感じているのは、採用企業の事業成長を応援することや、人生を豊かにするための転職支援というよりも、売上を上げるゲームに興じているような感覚なのではないでしょうか。(正直言うと、私も若い頃、そういう時期がありました)


ゲームであれば、まずはルールを理解して、いかに効率的に、大量に得点を上げるかが勝負になります。そのような「ゲームの上達方法」は指南しても、仕事の本質的なやりがいや意義を伝えきれてない、体験させられていないエージェントが多いのではないか、と思ってしまうのです。


本来は一人として同じ個人はいないはずで、求人だって時期によって、常に変化しています。それらをマッチングするということは、本当に変数が多く、ワクワクするような面白さがあります。


それらを極端にシンプルに考え、業務を分業化、仕組化、KPI管理することで、本来の仕事の楽しさややりがい、成長が感じられなくなっているように思うのです。

(これは以前このブログで「業界の問題」として取り上げた内容とも重なります)


もともとは、より多くのお客様の期待に応えるために、会社の拡大発展を目指していたはずなのに、会社や事業の成長に伴って、この業界や仕事を嫌いになる人が増えるというのは、とても悲しいことです。


会社の方針や戦略に正解・不正解はありませんが、エージェントを経営する者として「社員が仕事に飽きる」ことのない、組織、環境づくりをとても大切に考えています。


「飽きない」こそ「商い」と言いますが、我々自身が「仕事を楽しんでいる」ことが、お客様に満足いただく前提条件と考え、こだわっていきたいと思ます。

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