今日は「現在を生きる人(現在さん)」と「未来を生きる人(未来さん)」という2種類の人について、書いてみたいと思います。
現在さんは、今目の前にあるもの、今できることに、とても大きな価値を感じます。たとえその行為や選択が、未来の自分にとってネガティブな影響を招くとしても、今、我慢できない人です。一方、未来さんは、将来得られるものにより大きな価値を感じます。未来のために、今は我慢できる人です。
わかり易く2種類の人と表現しましたが、実際には「100%現在さん」「100%未来さん」などと明確に分けられるわけではなく、同一人物であっても状況によって現在さんになったり、未来さんになったりと、せめぎ合っているのが実情だと思います。
そういう意味で人生は、自分の中の現在さんと未来さんの「綱引き」と言えます。でもこの勝負、現在さんが圧倒的に優勢です。数か月後のダイエットの成果より、目の前のケーキが食べたい。キャリアのために語学力向上を決心したけど、時間があればSNSを見続けている等々。多くの場合、未来さんが現在さんに負けてしまいます。
目先の価値を過大に評価して、未来のベネフィットを過小評価してしまう性向には「現在バイアス」という名前がついています。また双曲割引※という概念で、学術的にも説明されています。
※遠い将来なら待てるが、近い将来は待てないという、経済学理論では説明できない非合理的行動を説明する概念(行動経済学)。
つまり、私(あなた?)だけが悪いわけではなく、現在さんが優勢なのは人類共通の悲しい性(さが)なのです。逆に言うと、現在に生きたい欲求を一定以下に抑えて、未来に生きることを選択できれば、人とは異なる、自分らしい生き方ができる可能性が高まります。
今すぐやりたい、重要ではないことをする誘惑に打ち克って、今やらなくても何ら問題のない、でも未来に価値を生み出すことに、自分のリソースを投入できるかどうかが、人生を方向づける、と言っては言い過ぎでしょうか?
本当は皆、今それはしない方が良いと知っています。また未来のために、それをやった方が良いことも知っています(でも結局やらずに後悔します・涙)。
この現在さんと未来さんの綱引きの勝負を、現在さんの圧倒的優勢から、五分五分へ、未来さん優勢へと引き寄せていけるかどうかが、人生の勝負どころです。
今は忙しくて未来なんて考えられない!と思うかもしれませんが、いつも忙しい本当の理由は、その考え自体にある(現在さんが強すぎる)のかもしれません。
未来についてゆっくり考えられる「忙しくない今」は、なかなかやってきません。なので、まずは自分の中の未来さんに気づいてあげることからスタートです。綱引きでは、相変わらず現在さんが優勢かもしれませんが、意識して未来さんを応援していきましょう。
未来さんの勝率が6割を超えてくると、人生が変わり始めると思います。
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